なぜ私たちは”自然農法”にこだわるのか、大きな理由は以下の3つです。

1. 素材の良さとは、安心・安全だけでは不十分。植物が本来持つ力強い生命力こそが、品質を際立たせる。

私たちは、お客様のために商品を生産し、提供して生業をたてています。ですから第一に考えなければならないのは、提供する商品の”品質”です。
私どもの商品は、食べたり(高橋剛のコシヒカリ)飲んだり(バランスアルファ)肌につけたり(ジェンティール)と、お客様の身体に直接影響を与えるものですから、大前提にはもちろん安心・安全があります。でもこれだけではちょっと”消極的な品質”です。大切なのはこの商品を、食べ・飲み・使うことで、更に元気になる、という”積極的(ポジティブ)な品質”
私たちは、そんなポジティブな品質は、自然農法の中で鍛えられた植物がもつ、生命力が生み出すものだ、と考えています。

2. 自然農法は、生産地の環境を守り育てる。

本来日本の伝統的な農業は、循環型農業と言われ、生産地の生産力を枯れさせること無く、永続させていくことができる、優れたものでした。
(明治初年に日本を訪れたヨーロッパの農学者は、皆賛嘆の声を惜しみませんでした)
ところが、1960年代の高度経済成長期以降、日本の農業は循環型”自然農法”を捨て、大量の化学肥料と農薬を投下し、機械化可能な土地に農地改良を進め、様々な作物を生産する多品種栽培から、単一作物の大量生産へ移行し、挙句の果てに、農業自由化によって、国内農業を抹殺するところまで、変貌してきました。
この結果、自然と人間の営みの調和を作り出してきた農村環境は疲弊し、ギブアップ寸前になっています。
自然農法は、この”農業近代化”の歩みを一旦止めて、もう一度、日本の現状の中で可能な循環型農業を再生し、農村環境を守り育てていく、現実的な方法です。

3. 自然農法は、生産者の想像力と創造力を育む。

さらに言えば、”自然農法”は経験と伝統に支えられた、技術です。
近代化した農業は、兼業農家を前提とし、ノウハウと時間は金で買える、という思想を農業にもちこみましたが、同時に豊かな農業技術の多くが、伝承されず消えかかっています。
自然農法は、様々な技法を伝統として受け継ぐと同時に、気候変動や環境変化を察知し、リスクを回避する知恵を育て、変化に対応する創造力を養う、人材育成農法でもあります。

知っていましたか?
自然農法は大量生産ができません。
残念ながら、自然農法にも弱点があります。そう大量生産ができません。 もちろん志を同じくする仲間が増えてくれば、自然農法全体での生産量は上がってくるでしょう。 でも現状は、自然農法を実践されている生産者の高齢化はとどまるところを知らず、農村の過疎化、若者の農業離れは加速しているようです。
だから、ごめんなさい。
私どもの提供できる商品は、どれも生産量が十分ではありません。
時には在庫を切らし、時にはお待ちいただくこともあります。
自然農法は、傷ついた農村再生から始まった、まだ若い取り組みです。 育つまでにはまだまだ時間がかかります。
皆様も温かい目で見守ってくださいね。