山形県真室川町というところ

高橋剛(現在は長男の高橋直樹さん)の田んぼがあるのは、山形県真室川町。

秋田県と接する山形県内陸の最も北の町です。

僕らが高橋剛のお米を販売するにあたって、その中心的な品種コシヒカリに
『北限のコシヒカリ“吟匠”』と名付けたのは、この真室川町の地理的な位置づけがありました。

コシヒカリは1955年に福井県の農業試験場で品種開発されました。
その際には品種改良は西南暖地向きのお米を意図していたといわれています。
つまり福井県よりもさらに西南の近畿・中国・四国・九州で栽培されることを期待していたのです。

ところがその後「コシヒカリ」と名付け、広く良食味米として作付け普及したのは新潟県でした。

「コシヒカリ」の評判が高くなった1970年代後半以降は、東北でも作付面積が増えたのですが、
あくまで西南暖地向けのお米ですからあまり寒い土地では栽培が難しく、
当時は山形県が北限だったそうです。

(ちなみに「あきたこまち」は寒くて「コシヒカリ」を作れない秋田県が、
「コシヒカリ」のような食味で寒さに強い品種ということで開発したものです。
だから「あきたこまち」は「コシヒカリ」そっくりの味がします。)

 

果物は、栽培限界に近づくほど甘みが増すといわれていますね。
同じことはお米にも言えます。
その意味で山形県北端の真室川町は「コシヒカリ」が最もおいしくなる可能性を秘めた土地です。

それに加えて、真室川町は周りを東北の背骨である奥羽山脈に囲まれた、中山間地です。

江戸の昔から“美味しいコメは平場米より山場米”とされてきました。
山地に近いほうが昼夜の温度差が大きくなるので、
収穫前の夜間の冷え込みがお米の甘さや香りを強くするのです。
山形県で言えば大生産地である日本海に面した庄内平野より内陸の真室川町のほうが、
おいしくなる可能性をより秘めていると思います。

さらに三つ目の決め手が水。
冬の積雪量が多い内陸で、しかも周りの山々はブナの天然林が広がっています。
ブナの森は保水性が高く、どんな渇水期にも水を絶やすことがありません。

真室川を突き抜けて最上川に流れ込む鮭川は、
いつも水量が変わらずかつ国土交通省の調査で東北一の清流の認定をもらったこともあります。

 

真室川町の紹介をしようとしたら、お米の話ばかりになってしまいました。
でも本当にここのお米はおいしい。一度食べたらびっくりします。

晩秋に新米の最初の一口を食べる時が、
僕がこの商売を始めて良かったなあと思える瞬間です。
間違いなく。

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