タリス・スコラーズ コンサート

世界最高のアカペラ聴いてきました

先日、東京四谷の「紀尾井町ホール」に、
古楽のアカペラ合唱団「タリス・スコラーズ」の来日コンサートを聴きに行きました。
今回で4回目となる彼らの音楽の体験ですが、やはり完全に打ちのめされました。

彼らの奏でる音楽は、声の響き合いの美しさの極限です。

曲のメロディやリズムなどの流れの以前に、
声による音の響きがあまりに美しくて、
それだけでもう半分異次元に入った心持になります。

特に「ファ」「ラ」の音が重なった時の響きの美しさは、
首の後ろをつかまれて、空中に持ち上げられたような恍惚感を生み出してくれます。

人間の声は人のからだという生身を振動体としているので、
楽器には出せないなんともいえない柔らかさがあります。
音にくるまれる、という感じがします。

歌詞の内容はミサ曲などのキリスト教宗教音楽ですから、
神を崇める厳粛な内容なのですが、歌詞の意味なんかわからなくても、
いやわからないほうが、声の響きがそのままダイレクトに身体を包み、
じわじわと浸透してくるのです。

古楽とは西洋音楽の範疇では、バッハ以前の音楽というくらいの意味で、
そのカバーする年代は、1100年代から1600年代まで約500年間にまたがる音楽群です。
その中で「タリス・スコラーズ」のレパートリーは1400年代から1500年代の
いわゆるルネサンス期にほぼ集中しています。

彼らはイギリスの合唱団なので、イギリスの作曲家を中心に、
フランドル(現在のベルギー)やスペインの作曲家の曲も演奏します。

「タリス・スコラーズ」を知ってから、同じような合唱団のコンサートに足を運びましたが、
未だに彼らを超える合唱団には出会っていません。

古楽が好き、と言うと、えっどうして?とふしぎな顔をされるので、
人にはあまり話しません。

おそらく感情を穏やかに鎮め、音の響きの中にくるんでくれるという効果が、
普段からいらいらしたり、興奮したり、喜んだり、悲しんだり、落ち込んだりと、
目まぐるしい変化の中にある私にとって、かけがえのないものなのでしょうね。

同じようにストレスフルな生き方をされている方には、
安定剤よりもよほど効果があるとお伝えしたいです。

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